川崎の歌姫 桜井純恵 オフィシャルホームページ
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母恋し 10年の想い

2017年11月
文章:桜井純恵マネージャー、ミュージック・マーケット代表  武井慎一郎

 

米国のトランプ大統領が2017年11月5日から来日、6日には北朝鮮による拉致被害者家族の横田ご夫妻との面会を予定しているとのことである。
遡り2017年9月19日の国連総会での同氏スピーチで、「13歳の少女が海岸で拉致されスパイへの言語教育を強いられた」と述べた。このスピーチにより、世界のメディアで北朝鮮による日本の拉致問題に焦点が当てられた意義は大きい。
桜井純恵が『母恋し』を歌い続けて約11年。その想いを、今、何篇かに分けて綴りたい。

その1【母恋しとの出会い】
『母恋し』は大正末期に沖縄で作曲された。作詞は宇久元政元氏、作曲が宮良長包氏。その歌詞はまるで「横田めぐみさんが遠い海の向こうから、母の早紀江さんを想い、そして会えずに悲しむ心境を表している」かのようである。
『母恋し』との出会いは約11年前。沖縄出身で川崎市在住の主婦の方から「プライベートCDをつくって、横田ご夫妻にお贈りして元気づけたい。古い曲ゆえ歌っている方が殆どいないので、ぜひ桜井純恵さんに歌ってほしい。」との依頼をうけたことに始まる。
早速、ピアニストの樺山潤一郎さんにアレンジをお願いし、歌入れ。2006年7月に一枚のプライベートCDが出来上がった。そしてそのCDは依頼者を通じ、横田ご夫妻に贈られた。

その2【母恋しをCD化】
横田ご夫妻から御礼の手紙が、依頼者のもとへ届いた。
手紙には、横田ご夫妻の辛いお気持ちと拉致問題が風化しないよう応援してほしい旨がしたためられていたと記憶している。
そして桜井純恵は、演奏活動の中で『母恋し』を機会あるごとに歌い始めた。
するとリスナーや応援いただいている皆様から、「とてもいい曲なのでCD化してはどうか」の声が相次いで寄せられた。
川崎市在住の横田ご夫妻とは、川崎市に住むものどうし。少しでも力になれればと2007年5月に、弊社からCD「母恋し」を制作販売することとなった。初版の1000枚が納品され、狭い弊社にCDの入ったダンボール箱がずらりと並んだ。
母恋し表紙

 

 

 

 

 

その3【横田ご夫妻に面会】
CD「母恋し」制作販売すると同時に決めたこと。それは、CDの売上の一部を、拉致被害者家族会へ寄付することである。
新聞記事でもそのことを複数取り上げていただき、東京新聞のI記者から「第一回目の寄付を横田ご夫妻に直接お渡しし、同時に記者会見を行ってはどうか」という提案を頂戴した。
直ちに承諾させていただいた。
そして2007年10月11日、共同記者会見場所の川崎市役所で横田ご夫妻に面会し、お渡しすることができた。その場では桜井純恵が『母恋し』を唱する機会もいただき、横田ご夫妻が涙する姿に、私も胸が熱くなったのを覚えている。
歌う

 

 

 

 

 

その4【歌い続ける】
2007年10月11日の共同記者会見から、今年2017年でちょうど10年が経った。
CD「母恋し」の売上げの一部の寄付は、毎年11月に行っている。それは横田めぐみさんが拉致されたのが11月のことであり、拉致問題を忘れずにいたいからである。
今年の11月にも第11回目の寄付を行う予定である。
初版の1000枚は短期間で売れたが、2版の1000枚はまだ残っている。
年々売れ行きは鈍くなり、微々たる額の寄付しかできていない。笑っちゃうくらいにちっぽけな活動だけれど、横田めぐみさんが帰還するまで続けるつもりである。
ぜひ皆様には『母恋し』を聴いていただくことで拉致の事実を忘れず、そして拉致問題が解決していないこと思い出してほしい。
拉致問題を風化させないことを願い、桜井純恵はこれからも『母恋し』を歌い続ける。
握手

 

 

 

 

 


その5【横田滋さん】
東日本大震災の直後、余震も続き水や電池やガソリンが不足しコンサート自粛ムードのなか、高津第三地区社会福祉協議会に主催いただき「桜井純恵思いやりチャリティーコンサート」が開催された。2011年3月25日のことである。
売上収益金はすべて社会福祉協議会を通じ、震災義援金や拉致被害者家族会などへ寄付された。
チャリティーコンサートには横田滋さんにお越しいただき、拉致被害者家族の現状などお話しを頂戴した。会場ではCD「母恋し」を販売させていただき、その際滋さんが手伝ってくださった。
滋さんの笑顔が印象的だった。
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その6【希望】
自分の愛娘が生きているのか、死んでしまったのか。生きているのならばどこでどんな暮らしをしているのか。死んでしまったのならばいつどこでなぜ… だれであっても事実を知りたいはず。
そんな不安で悲しい気持ちを抱きながら40年を過ごすことは、自分だったら…想像を絶する。
拉致被害者のご家族は年々高齢化している。ぜひ元気なうちに、悲しみの涙が喜びの涙になるよう切に願うばかりである。
トランプ大統領と北朝鮮による拉致被害者家族の横田ご夫妻との面会に、拉致問題解決に向けての何らかの可能性を期待したい。希望は捨ててはならないと願い、筆を置く。
 

追記
乱文を最後までお読みいただきありがとうございます。
桜井純恵の『母恋し』を歌う活動を少しでも多くの方に、知っていただきたいと願っています。
・テレビや新聞などのメディア
・『母恋し』を演奏できる場
などご紹介いただければと考えています。
厚かましいお願いですが、賛同いただけるようでしたらご協力の程よろしくお願い申し上げます。

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